吉永圭介

連休を利用してプリント

連休を利用して、今年の『しろくろフィルム写真展』用の写真をプリントした。

 

まず、標準的な印画紙現像液であるD-72 を2リットル分、自家調合。
停止液は市販の50%酢酸を希釈、定着液はスーパーフジフィックスを印画紙用に4倍希釈した。

 

現像液の温度が下がるのを待っているあいだ
見本のカビネサイズのプリントを見ながら、ここはもう少し焼き込む、この写真はもう少し明るく など、作戦を練る。焼きやすいプリントからおこなうことに。

 

今回使用した紙は、

チェコ製の多階調バライタ紙のFOMA Fomabrom Variant 112。
とてもマットな質感で、新聞紙のモノクロ写真のような質感。
引き延ばし機に#3のフィルターをセットしプリント開始。
暗室では時間がわかりにくいので時報代わりにラジオ(八代でMBCを受信)を聞きながら作業。

 

同じ紙のカビネサイズで見本をあらかじめ焼いていたので、カビネサイズの紙を3分割しテストピースを作製。
今回は小半切(30.5cm×40.6cm)の紙にほぼ大四切(26cm×33cm)の大きさに引き延ばす。
紙がひとまわり大きいのは、あとで木製パネルに袋貼りするためだ。
井の字型のイーゼルをもたないので、ボール紙に22+1.5cm×33+1.5cmの窓を開けてマスクを作製した。

目的のサイズより+1.5cm余裕を持たせているのは袋貼り時にギリギリだと失敗するため。
35mm判でノートリミングにしたため、かなり細長く、見た目は六切程度に見える。

 

テストピースで最適な露光を決めて
実際の紙にプリント。現像してみるとかなり薄いプリントになった。
同じ紙で販売されていてもサイズ(もしくは製造ロット?)によって感度が違うようだ(倍くらい違う)。
小半切の紙を1枚犠牲にして、あらためて20枚ほどのテストピースを作製した。

 

これで全体的な露光はつかめるようになったが
どうも見本とはずいぶん雰囲気が違っている。
シャドー部はほぼ再現できているが、中間のグレーが薄く感じる。
カビネのときは粒子が近接していて濃く見えていたのが、引き延ばすことで粒子の間にすきまができ
明るくなり、白けた調子になっている。
中間調の調子がよくなるように露光時間を延ばした。
さらに乾燥後のトーンダウンを考え、そこから5%ほど露光時間を短くする。

 

今回は8枚のプリントを完成させるのに
4枚が思い通りの焼き具合にならずやりなおし、1枚をテストピース用に使ってしまったが、これでもわりと効率はよい方。

 

なんとか夕方までに予定分をすべてプリントできた。
乾燥中のプリントを見ながら缶ビールでひとり打ち上げ。

 

『しろくろフィルム写真展』(第3回展)
2022年5月24日(火)〜5月29日(日)9:00-17:00
※5月25日(水)は休館日

谷山サザンホール 市民ギャラリー

(今回は私を含め10名が出展予定)
私は『一期一画』(いちごいちえ)というテーマで8点を出展。
※新型コロナウイルス感染症の状況によっては延期になる場合もあります




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