西郷 俊一

自転車

街の風景には、自転車がよく似合う。

歩行者が多いと街の賑わいを感じるものだけれど、自転車もビルの隙間に駐輪してあったり、店の前のオブジェのように置かれていたりするのを見かけると、人の行動が想像できて、面白い。

そもそも、自転車自体が、車輪やペダルやチェーン等々、メカニズムが丸見えになっていて動力の伝わり方がよく見えて、人が漕いでやらないと動かないものだということが、とてもよく理解できる乗り物なのだ。

つまり人の気配を常に漂わせているから、街の中にある自転車が気になってしまうのかもしれない。

 




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